プロレス統計

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移動時間で振り返る2012~2018年のG1 CLIMAX

さて都内では桜も散りきって葉桜になりつつある昨今皆様いかがお過ごしでしょうか。
先日ようやく花見にいったんですけど見事に9割9分散ってましたね・・・まぁ実際外でおいしいお酒が飲めたのでダイジョーブダイジョーブ。

それはさておき、先日の両国大会において今年のG1 CLIMAX 28の日程と開催地が発表されましたね。

その中でやはり目を引くのは東京や大阪など大会場での連戦の多さ、そして東京大会の多さですよ。
東京で行われるのは全19大会中ほぼ半数の9大会、そして例年行われていた東北地方での大会がなくなっていたことなどもあって悲しむ声も散見されましたね。

その一方で今回の日程について「これは選手負担を軽減するための方策なのでは?」という声もありました。
実際、長距離のバス移動による連戦は疲労も回復せず、G1シリーズ終盤は控え室がまるで野戦病院のような様相になるという話もありますしね。

ということで、実際にその選手負担が減るのかどうかを、今回は「会場間の移動時間」という点で検証したいと思います。

検証条件

というわけで今回は各大会間での移動時間をそれぞれ調べ、一体何時間自由時間=身体をゆっくり休める時間があるのか、それが連戦型ツアーによって増えているのかどうかを調べようと思います。
この検証での検証条件は下記の通り

  1. 各大会では昼12時に会場入り、夜10時に会場を出るとする
  2. 会場を出てから次の会場入りをするまでを”間隙時間”とし、連戦なら14時間、n日間が空けば14+24n時間となる
  3. そこから健康的な睡眠時間の最低限とされる7時間/日を引く
  4. さらに会場間の移動時間を引き、残った時間を"自由時間"とする
  5. 会場移動は”原則”選手バスによる車移動として移動時間を見積もる
  6. 同会場での連戦の場合は移動時間を0とする

というわけで、この自由時間が増えている、もしくは移動時間が減っていればそれに伴って選手への負担が減っているとします。
実際には会場を出た後に宿泊施設へ、といった時間もかかりますが流石にそれは調べられないのであくまで一つの目安ということで。

G1 CLIMAX 28 各大会間移動時間

出発地   目的地 間隙時間 移動時間 自由時間 移動距離
大田区総合体育館 大田区総合体育館 14 0 7 0
大田区総合体育館 北海きたえーる 14 3* 4 1150
北海きたえーる 後楽園ホール 62 3* 38 1150
後楽園ホール 後楽園ホール 14 0 7 0
後楽園ホール 後楽園ホール 14 0 7 0
後楽園ホール エスタルフォアリーナ八王子 14 1 6 60
エスタルフォアリーナ八王子 アオーレ長岡 86 4 54 270
アオーレ長岡 アクトシティ浜松 14 6 1 500
アクトシティ浜松 愛知県体育館 14 2 5 120
愛知県体育館 高松市総合体育館 38 5 9 350
高松市総合体育館 鹿児島アリーナ 38 9 15 760
鹿児島アリーナ 福岡市民体育館 14 4 3 280
福岡市民体育館 エディオンアリーナ大阪 38 8 16 610
エディオンアリーナ大阪 エディオンアリーナ大阪 14 0 7 0
エディオンアリーナ大阪 横浜文化体育館 62 6 35 490
横浜文化体育館 日本武道館 14 1 6 40
日本武道館 日本武道館 14 0 7 0
日本武道館 日本武道館 14 0 7 0
日本武道館 --  -- --  --  -- 

簡単にまとめたものがこちらになります。
このとき大田区→北海きたえーる、そして北海きたえーる→後楽園ホールでの移動は自動車だと16時間かかって物理的に不可能なのでおそらく飛行機で移動するだろう、ということでその数値を使いました。

 結果として総移動時間は52時間、総自由時間は234時間、総移動距離は5,780kmとなりました。
シリーズが29日間あるので1日平均の移動時間は約1.8時間、平均自由時間は8時間となります。
と平均を獲ると結構少なく見えますけど何日かまとまってオフがあるタイミングと連戦で自由時間が1時間ぐらいしかない日とあってばらついてる感じですね。

他の年との比較(4/7データ修正)

  2012 2013 2014 2015 2016 2017 2018
大会数 9 9 12 19 19 19 19
全日数 12 11 21 28 28 28 30
総移動時間 32 28 55 59 67 55 52
総自由時間 75 62 175 385 212 224 234
総移動距離 2455 2070 3970 5305 5729 4878 5780

(4/7追記 2015,2016年のデータにおいてそれぞれ京都大会、札幌大会を集計し忘れており、集計しなおしました。
上表、下グラフ3つにも反映済み)

上記と同様の手法で2012年~2018年のG1での総移動/自由時間及び移動距離をまとめたものがこちら。
大会数やシリーズ自体の日数もまとめましたが2015年からABブロック公式戦の交互開催になったことで大会数、シリーズ自体の全日数がぐんと増えて今年は遂に1ヶ月の大台に突入してますね。
全日数は2014年からぐんっと増えていますがそれに伴い移動時間・距離も増えてるのでこの時から、本来は短期集中ツアーだったG1が全国ツアー形式に変化していった、共いえますかね。

とはいえ数字だけ見るとわかりづらいのでグラフにしてみます。

平均移動時間

f:id:Rodyonsw:20180407020328p:plain

まず初めは移動時間の1日平均と1大会平均、どっちがより重要なのかはよくわからなかったのでどちらも出してみました。
身体的な疲労を考えると1日平均だと思いますが、1日平均に関しては多少の上下はありつつも全体を通して減少傾向にあり、2018年も僅かとはいえ2017年から減少しています。

平均自由時間

f:id:Rodyonsw:20180407020914p:plain

次に自由時間の両平均。
大会数の割りにゆったりとしたスケジュールがとられた2014年及び大会数・日程の増加の割りに移動時間が増えなかった2015年に大きく増加しましたが2016年には大きく減少しました。
2013年までは短期集中型だった日程が2014年から長期シリーズ型へと変わり始め、2015年には現在の1ヶ月近いシリーズになりましたが、この年は終盤が後楽園3連戦+両国3連戦という形式をとったため、移動時間を大幅に抑え、また一大会辺りの自由時間の増加に繋がったと思われます。
その点で言うと翌年からはもうちょっと無理をしようという方針になったのか、連戦が両国のみになり、自由時間が減ったものの2013年以前と比べれば一大会平均で+3時間、1日平均で1時間ほど多く、尚且つ一大会平均については近年増加傾向にあります。

移動時間:自由時間比

f:id:Rodyonsw:20180407022111p:plain

次に移動時間と自由時間の比(%)の推移を見て見るとこんな感じ。
2015年には大きく減少、2016年に増加しているのは上記のような理由からですかね。
全体として、2013年以降は大まかに減少傾向が見て取れます、というかピーク時は1:1ぐらいの比だったのが一時は7:1にまで下がり、その後上昇するものの、近年は1:4にまで下がってきたんですね。

結論

これらのデータを見ると2018年も前年と比較して総移動時間、平均移動時間、自由時間に対する移動時間比いずれも減少しており、
近年の傾向としても各数値が減少傾向にあることなどから「移動時間という点では選手負担が減少傾向にある」ということがわかりました。
勿論シリーズ自体は長期化していっていますし、自由時間もほぼ横ばい、大会数及びシングル数も相変わらず多いためそういう点では選手にとって高負荷なシリーズではあると思います。
そういう負荷を余分に増やさない、癒す時間を増やす努力が見て取れる、という感じですかね。

所感雑感

というわけでG1の移動時間まとめでした。
G1というと過酷な試合、それ以上に過酷なスケジュールとの戦いなんて言葉もありますが、実際寝て起きて移動して試合なんて日もないわけでもないので誇張じゃないですよねぇ。
とはいえ、それでも全体としては実際の移動時間もシリーズ全体に対する移動時間への割合が減っているのは試合・大会を組む側の努力が見えました。

しかし、2017年と比較して減ってるとはとはいえ、今回東京大会の開催、及び同一会場のn連戦がかなり増えた割には移動時間が減っていないようにも見えるんですよね。
各移動時間を見てみると5時間以上の長時間移動が5回(長岡→浜松、愛知→高松、高松→鹿児島、福岡→大阪、大阪→横浜)もあるんですよね。
その一方で2017年は5時間以上の移動が3回(アオーレ→愛知、福岡→愛媛、愛媛→大阪)となっています。

そういう意味でいうと、今年はかなり日本を行ったりきたりする効率の悪い巡業スケジュールになってる感じは否めないですね、そういう意味だと2016年なんか近場近場を移動して全国を回っていくスケジュールになってるので「巧いなぁ」なんて思ったんですが。
「この辺りが改善されていればより移動時間が減った」とも言えますが、「この巡業スケジュールでも連戦によって移動時間の削減が出来た」とも言えるのが評価の難しいところですね。
いずれにしても負傷者、欠場者もなく、全選手がこのシリーズを無事駆け抜けられるのを願ってやみません。

今日はこれまで、それでは